FAQ

よくある質問をまとめました。

PCR検査とは?

PCR検査とは、正式名称「ポリメラーゼ連鎖反応」(Polymerase Chain Reaction)の略でウイルス等の遺伝子(DNA:デオキシリボ核酸)を増幅させて検出する技術です。
 

具体的に言いますと、まず目的の遺伝子を抽出します。

遺伝子は通常二重らせん構造していますが、遺伝子に熱を加えると2本鎖のDNAから1本鎖のDNAに分離することができます。この1本鎖になったDNAにDNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)を使って片側のDNAを合成していき元の2本鎖のDNAを作っていきます。つまり1つだった遺伝子が2つに増えた事になります。これを繰り返していけば、ネズミ講のように同じDNAが増えていくということです。増えたDNAに標識をつけておき視覚的にわかりやすくして検出します。これがPCR検査法です。微量の遺伝子(DNA)を増やして検出し易くするわけです。コロナウイルスなどはRNAウイルスですので、逆転写(RNA→DNA)を行ってからPCR検査をしていま

抗原検査とは?

抗原検査とはウイルスのタンパク質の一部である抗原を検知して診断に導く検査のことを言います。PCR検査とともに、新型コロナウイルス感染症の確定診断に用いることができます。そのため新型コロナウイルス感染症と思われる症状が発症した方でも、発症2日目~9日目の間にこの検査で陰性となった場合には、その時点では新型コロナウイルス感染症ではないと言い切ることができます。新型コロナウイルスの抗原検査をするキットは30分ほどと非常に最短で検査ができること、特別な検査機器を使わずに検査ができるというメリットがあります。ですが、診断をつけるためには一定のウイルス量が必要となるため、PCR検査では陽性となったものの無症状の方や、新型コロナウイルス感染症に無症状で感染している方がいるかどうかのスクリーン検査の用途では使うことができません。

抗体検査とは?

抗体検査とは新型コロナウイルスに感染していたかどうかを調べる検査です。新型コロナウイルスに感染すると形成されるたんぱく質が体内にあるかどうかを調べることができます。抗体検査は新型コロナウイルスに感染後13日以降では、96.9%の陽性率ですが、感染後9~12日目の陽性率は約50%とまだ、期待されるほどの制度が出ていないことも現状です。また、日本での検査は自費診療となっており、自身に抗体がついているかどうかの判定というよりも疫学調査のために用いられることが多くなっています。また、新型コロナウイルス感染が陰性であるという証明として抗体検査を行っている、あるいは行うことを推奨するという考え方を唱える方もいらっしゃるようですが、厚生労働省ではそのような目的での検査を推奨していません。

PCR検査・抗原検査・抗体検査の違いは?

抗体検査PCR検査抗原検査
検査目的過去の感染の有無を調
べる、抗体の有り無を調べる
現在ウイルスが体内に存在しているかを調べる現在ウイルスが体内に存在しているかを調べる
検査する検体 過去の感染の有無を調
べる
鼻咽頭ぬぐい液
喀痰 など
鼻咽頭ぬぐい液
など
判定にかかる時間数十分2~3日15分~30分程度
精度定まっていない比較的高いPCR検査より劣るといわれている
保険適用保険適用外
(自費)
保険適用
(自己負担なし)
保険適用
(自己負担なし)
注意点結果が陰性の場合、臨
床症状等からウイルス
感染が疑われる場合は
PCR検査が必要である